IT徒然草 (gaia) -134ページ目

携帯もデザインの時代だが・・・INFOBAR デザイナーの哲学

     [一番左が INFOBAR、右の3つがドコモ新mova端末]

前の記事では iPOD のカッコよさについて書いたが、最近の携帯端末も個性的デザインが重要視されるようになってきた。

何と言っても日本での先駆けは au の INFOBAR だろう。二つ折り全盛の時代に、ブロック型の斬新なフォルムで颯爽と登場した。しかもボタンは市松模様、卓上フォルダにもこだわり。結構電車の中で見かけた。

そして今日(4日)発表になったのは、ドコモの新4端末。CEATEC にぶつけてきた。

■ドコモのニュースリリース
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/04/whatnew1004.html

ついにドコモもFM受信機能を搭載するなど、機能面でも新たな試みも見られるが、私が驚いたのは「Lechiffon」。なんと筐体が合成皮革らしい。

■ケータイWatch - ソフトタッチを味わえる「Lechiffon」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/20815.html
■ITmedia Mobile - 柔らかな手触りを携帯に~「Lechiffon」
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0410/04/news032.html

パッと見、何か「ワニに食べられたウサギちゃん」のぬいぐるみみたいな感じで、ハードな筐体を革で包んでいるのかなと思ったのだが、実は「筐体が革」らしい。実物を手にしていないので何とも言いようがないが、おそらく小さい女の子が持つテカったカバンのような感じではなかろうか。

何ゆえ、この革になっているのだろうか・・・。理系の私にはちょっと解せないが・・・。恐らく、きっと一定のユーザ層「女子」を意識したのだろう。意外と大人になりきれない20代の女性にもウケるのかも。実際に購入した人のキャラクターを見てみたい

さて実は先週末、友人の計らいでトーク番組の収録に参加した。番組は前述の INFOBAR をデザインした工業デザイナーの深澤直人氏の仕事術を探るというものであった。氏はかなり世界的に著名な工業デザイナーで数々の賞を受賞している。

収録では、50以上の製品デザインが同時並行するほど多忙な氏が、一体どのようなマインドでデザインをしているのか、仕事に取り組んでいるのか、という観点で話を伺うことができた。特徴的な点としては

 ・自分を出さない(デザイナーの個性を出さない)
 ・人間(の身体)は何に喜びを感じるかを追求する
 ・人間が無意識にする行動から欲求を読み取る

といった哲学。

「自分はこういう美しさを表したい」ということではなく、使う人間、ひいては身体そのものが心地良いと思えるのはどういうものかを徹底追求し、その手段として「無意識の行動」を分析。その行動に潜む意味や身体欲求を探り、それを満たすためのデザインを具現化する、という手法で仕事をしているらしい。

INFOBAR にしても、当時の風潮として「携帯は二つ折りが売れる」「お客様は二つ折りの携帯を望んでいる」という説が市場に蔓延しており、「なぜ二つ折りなのか」を追及することはなかったという。しかし、氏はその中でヒトが携帯電話に求める形を、いくつかの案で発想したそうだ。

具体的にどんな形を提案したかは番組内で見ていただくとして、その話の中で私が気になった言葉は「お客様、という言葉にダマされるな」ということだった。つまり、お客様というヒトは誰なのか、分かっているようで分かっていない。世の中の説がデフォルメしているのだ。それよりも本当は、誰もが持つ根源的な欲求を満足することが大事なのではないか、という旨の氏の主張は非常に奥深い考え方で感銘した。ある種、ユニバーサルデザインという感じがする。

今回のドコモ新端末にそのような思想があるのかどうかは定かではないが、横に並べて比較をしてみると、その幅の広さ・普遍的な思慮などに思いが行ってしまい、今の私の中では INFOBAR に軍配が上がるような気がする。

皆さんはいかがだろうか?

[追記] 書き忘れました。番組はNHKで12月に放送予定とのこと。

iPODはやっぱ「デザイン」でしょ

← 写真は第3世代です

私は昨年からいわゆる「第3世代」iPOD を使っている。15GBのうち今10GB近く溜まっている。曲数でいうと約1,000曲。

何が良いって?

 やっぱりデザインがかっこいい!

機能的にはいろいろありますが、私はこの商品を見た時、言いようもない衝撃を受けました。そして

 「どうしてもこれが欲しくなるだろ~

と思わせるオーラを感じました。勿論、アップル製品には共通してそういう感じがありますが、この iPOD はその中でも秀逸。ここまで工業製品が美しくなるのか・・・

ただ一点だけ不満も。

 傷つきやすい筐体は何とかしてくれ~

ほんと、傷つきやすいんですよね。表面も裏面も。日ごろケースに入れているが、やっぱりこれはウザったい! しかも標準で付いてくるケースがちょっとダサい。

最初に触ったコンピューター

               ↑↑↑↑↑↑
           そうそう、この丸いキーボード!

パソコンブームは NEC PC-8001 あたりから爆発的になったのだが、私の場合、最初に触ったコンピューターはもっと古かった。

約30年前(1975年頃)、地元に青少年向けの科学センターなる建物があった。プラネタリウムあり未来都市の模型あり、そして今では当たり前になりつつTV電話が置いてあるような、子供の夢を膨らませる施設だ。

その中に「コンピューター室」という部屋があった。行くと必ず白衣を来た博士みたいな人がいて、さながら "Back To The Future" のドク。そして壁一面にコンピュータから出力された絵文字の化け物。モナリザなどの絵画や人の顔が「*」「#」「@」といった記号・文字で出来ていて、1m×1mぐらいの大きさで貼り付けてある。今で言うオタクの部屋なのかも。

そして子供の憧れ、「コンピューター」なる機械が中央に鎮座している。人気なかなか触れなかったのだが、時々こいつを触ることができた(見た目は今のPCのようなものでなく、どちらかというとタイプライターのお化けのような感じ)。

といって、当時小学1~2年生の私に何が出来るわけでもなく、壁に貼っている「2+3の計算をするには」といった模範入力方法を真似て、一つ一つ恐る恐る打ち込んでいたのだ。

今の皆さんには想像できないだろうが、当時のその機械は「2+3」の計算をする場合、電卓のように「2+3」と入力するのではない。

 「A」「↓」「2」「B」「↓」「2」「A」「B」「+」「=」

といった風(だったかな?)に、よく分からないルールで入力するのだ(まぁ、今思えば変数に数値を代入し、それを演算するというオーソドックスな方法なのだが・・・)。

他にも「生年月日を入力するとその日の曜日や今日までの日数が計算できる」といったよくありがちな計算もあったりして、訳も分からず夢中に入力していた。部屋に来ていた中学生ぐらいのお兄さん達はもっと難しい計算をさせていたようだ。

そして今のPCと決定的に違うのは、「スクリーンがない」ということ。出力は全てプリンター。ギーチギーチと出力するラインプリンターだ。最近そういえばすっかり見なくなったな。

おぼろげに「Olivetti」というロゴマークを記憶しているので、ネットでいろいろ検索したが、どうやら「Performa 652」という機種らしい。リンクしたこのサイトによれば、CPUは4ビット、メモリーは4~32KBと、今のPCの10万分の1ぐらい?のスペックだ。

そんなものが恐ろしい化け物に見えた当時に私にとって、今のこの「パソコン」「インターネット」「ブログ」などというものは想像するべくもない

(その後の進化は別の記事に続く・・・)