プログラミングの一般化 | IT徒然草 (gaia)

プログラミングの一般化

プログラマーというと、世間の人からは特殊技能を持った人に思われがち。大工さんと似たような存在だ。

しかし、最近はビジュアルプログラミング分野が少しずつ拡大している。MITメディアラボが「Scratch」を、そして最近ではGoogleが「Blocky」なんてものを発表している。

もともと古くから Visual Basic などでフォームを作ったり、RAD開発ツールで簡便なプログラムは作れたし、ERPを使えばかなり複雑な業務処理も実現できるようになってはいる。が、それらは専門知識を前提に作られたプロ仕様のツールだ。

それに対して今出始めているのは、ブロックをくっつけるような操作でロジックそのものを作り上げるもので、見た感じ子供でもできそうなシロモノだ。プラレールで路線を作るような感覚で、実際にWeb上で処理が動き始める。このような流れが拡大すれば、徐々にプログラミングのハードルは低くなり、誰でもプログラミングができる素地が出来ていくだろう。

視点を変えれば、そもそもブログってのも、「HTMLが書けなくても誰でも自分の書きたいコンテンツをネット公開できるツール」だし、CMSなんてのも、「HTMLが書けなくても誰でも自分の作りたいサイトをネット公開できるツール」だ。どちらも一定の制約はあるものの、ネットでのコンテンツ公開という敷居を一気に引き下げた。

そしていよいよ、その領域がプログラミング分野へ進む。Webプログラミング分野においても、jQueryなどの普及で難易度の高い操作がより簡便に実現できるようなモジュール化が進んでいる。プログラマーという聖域が徐々に浸食されていくのは間違いない。

とはいえ、プレハブ工法によって一流の大工が潰えたかというとそうでもない。一流には一流の存在意義があり、揺らぎ無い。淘汰されるのは、機械でも変わりがきく程度のレベルを持った人々だ。技術が人を淘汰する。これは昔から変わらない構造である。